「月の上の観覧車」
2011/10/12(Wed)
「齢とともに鏡の中の自分が他人に思えてくるのはなぜだろう。情けないほど昔のままの中身を置いてきぼりにして,外見ばかりが年々変貌していく。男の顔は履歴書だというが,どんな履歴書を書き足そうが、長く使うほど用紙が色褪せ,皺くちゃになることに変わりはない。若い頃の薄っぺらな白紙が懐かしかった。」本文より。
後悔と思い出と再起が入り交じった男の心中。おっさんには、染みる一冊である。
*荻原 浩著 新潮社 2011
No.230
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