「罪深き海辺」
2009/10/24(Sat)
日本の人口は既に減り始め少子高齢化が進む中、それでも右肩上がりの発想とそれを取り巻く縮図は、なかなか根深いものがある。日本の国家予算は、例えれば収入の倍で暮らしているようなもので、このままで良いわけが無い。都市と地方の格差というが、身の丈を思えば差こそが豊かさの多様性を生むのではないだろうか。今、生まれ育った土地であたりまえに思っていた風習や言葉それに食べ物が、実はその土地だけのものだったことを取り上げるTV番組が人気だ。これがなかなか面白い。青い鳥がどこにいるのか、認める時が来ているように思う。どこにでもありそうな地方の町を描いたこの物語は、どこかリアルさがある。そう思う一冊である。
*大沢 在昌著 毎日新聞社 2009
No.105
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