「へヴン」

2009/11/10(Tue)



価値感が多様化したと言われて久しいが、本当にそうだろうか100%疑わしい。例えば、ユニクロに行って色違いのフリースの山を見ていると、こんなことなのか・・・?考えてしまう。どんなに自分が選んだ色を主張しても、所詮冬にユニクロのフリースというコードの中からは出られていない。価値感は、考え方もっと言うと信念という事になるのだろうが、自分の考え方を主張するだけではこれまた埒があかない。お互いを認め合える事がその第一歩だと思う。それにはまず、「好き・嫌い」そして「良い・悪い」この事がきちんと言える、聞ける人にならなくては始まらないのではないだろうか。この本は、いじめを通して本当のヘヴンはどこにあるのかが、問われている。今の価値感の危うさを思う一冊である。
*川上 未映子 講談社 2009

No.110

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