「けっぱり先生」
2010/03/13(Sat)
大学で非常勤をやっている。そこで心がけていることがいくつかある。一つ、立ち位置は学生の側に置くこと。一つ、時間が許す限り付き合うこと。一つ、経験で決めつけず考える場を創ること。一つ、公平に可能性を見ること。最後に、建築の楽しさ奥深さを伝えること。今は、自分が学生だった頃とは時代も変わり彼らを取り巻く環境も随分違うが、人に物を教える時、物の真髄はそんなに変わる物ではない。例えば、けっぱり先生は「運動会は秋」と言う。その言葉の奥には、弥生の民である我々の文化そのものがある。大切なのはそこだと思う。学校は、教える側の知性が問われる場でもある。学びの深さは、楽しさ面白さへと広がっていくのだから。先生のありようが詰まった一冊である。
*山口 瞳著 新潮社 1971
No.140
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