『海に沿うて歩く」

2010/06/23(Wed)



やってみたい事の一つに「千円の旅」がある。それは、名古屋駅から片道千円以内で行ける所で乗り物を降りて、まちを歩いてみようという小さな旅だ。坂の上からまちを眺めたり、まちを歩きながら生活の知恵が一杯詰まった(時には、笑える物もある)光景や、その地の歴史を柔らかく受け止め自分らしく楽しそうに暮らす様を見るのは、なんだか幸せな気持ちにさせられる。ついでにその地の名物や、料理も食べてみたい。高村光太郎が言うような「内なるコスモスを持つ物は、世界の何処の辺達に居ても、常に一地方的な存在から脱する」そんな人に会えるかもしれない。自分の中の良くも悪くもある物を携えて出かける。決して無茶をしない、出会いに流されながら歩き・見・聞く旅。この本は、その手本のような一冊である。イメージは、鉄橋を渡って見えてくるまちかな。
*森 まゆみ著 朝日新聞出版 2010

No.160

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