「鉄の骨」

2011/05/30(Mon)



いきなり大げさな話だが、自分の生き方の一つとして「正しい事を正しくやろう」というのがある。あたりまえのようだが、これがどうしてなかなか実行するのが大変である。やもするとドンキ・ホーテのようになってしまうことがままある。人は「頑固者」と言うが、清濁併呑むなんてことがどうしてもできない。だから、物語の中に「あのさ、おれサラリーマンなんだよ」という言葉が出てくるが、業界の必要悪の渦の中に巻き込まれていく若者が発するこの言葉の本意を計ることはできない。ただ、策略が絡まる中、愚直もそんなに悪くはないと思える一冊である。

*池井戸 潤著 2009 講談社

No.210

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