「散歩の一歩」

2011/11/16(Wed)



これと言った趣味を持たない。だから問われれば、ぶらぶら散歩と答える。これがなかなか楽しい。本文に、「道義とか礼節とか人倫とか、そんな堅苦しい話ではない。ごく柔らかな,日常生活の壁の間に埋もれている小さな突起のようなものに触れ,おや、と思い、あれ,と疑い,これはなんだ,と考えてしまうことがある。」と膝を打つ一文がある。いつまでもこんな感性を持ち合わせて散歩に出かけたいものだと思う。気楽に手にして欲しい一冊である。

*黒井 千次著 講談社 2011

No.235

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